ホイールをインチアップしてタイヤがはみ出してしまった場合はどうすればいいのでしょう?
きわどいサイズを狙いすぎて、車のフェンダーからタイヤやホイールがはみ出してしまった・・・
以前の車のタイヤを装着したり、もらったホイールを装着したらはみ出してしまった。
このようなケースがあるかもしれませんので、タイヤのはみ出しの対策方法を紹介します。
はみ出した場合の対処方法は?
車体の中に入ってしまったホイールを外に出す時は、スペーサーを使用すれば比較的簡単に出すことができます。
しかし、はみ出てしまったタイヤを車体の中に入れるのは非常に難しいです。
数ミリ程度のはみ出しなら、タイヤを車体に収めるための対策方法があります。
【はみ出しの対策方法】
- ローダウンをする。
- キャンバー調整をする。
- オーバーフェンダーをつける。
ここでは、ほんの少しだけタイヤがフェンダーからはみ出した際の対策方法を紹介していきます。
※かなりはみ出している時は、ホイールの買い替え(適切なサイズへの変更)が必要になります。
ローダウン
一つ目は、ローダウンをする方法です。
ローダウンは、車の車高を落とすことをいいます。
通常、車高を落とすことによってキャンバー角が多少つきます。
(※サスペンションがストラット形状などの場合で、全ての車ではありません。)
キャンバー角がつくことによってタイヤがフェンダー内に収まることがありますので、インチアップ時はローダウンをすることが多いです。
ただし、車高を落としすぎるとフェンダーなどとの干渉が増え、最低地上高は9センチを下回ると車検も通らなくなってしまいます。
ローダウンは、外観の改善や運転性能の向上を目的として行われますが、正しく行わないと車検に通らないリスクもあるため注意して下さい。
車高の落とし過ぎには注意が必要で、車検が通る範囲内で調整する必要があります。
キャンバー調整
二つ目は、キャンバー調整をする方法です。
キャンバーは、サスペンションの角度の一つです。
よくタイヤがハの字になっているという表現をしますが、キャンバー角がつくほどタイヤを後ろから見るとハの字になっています。
キャンバー調整は純正で調整機構がある車もありますが、純正の調整幅が少ないまたは無い車が多いです。
そのためキャンバーを調整するには、キャンバーボルトを使用することが多いです。
※キャンバーボルトは車によってボルトのサイズが変わるため注意してください。
ただし、キャンバーボルトは足回りの形状によって、設定がある場合とない場合がありますので車によって異なります。
FF車では、リアのキャンバーが付けられない車が多いです。
また、キャンバーボルト取付後はアライメント測定を行って、足回りの角度を正しく調整することが必要。
アライメント調整をしないとタイヤの片減りなど偏摩耗が発生しやすくなることがあります。
また、極端にキャンバーをつけると片減りしますので、注意して下さい。
車検では、キャンバーの角度自体に規定はありませんが、トー角と関連しているためトー角がずれていると車検に通らないこともあります。
オーバーフェンダー
三つ目は、オーバーフェンダーをつける方法です。
オーバーフェンダーはその名の通りフェンダーを大きくするものです。
オーバーフェンダー以外にフェンダーモールというものもあります。
フェンダーモールは、ボディにモールを貼り付けることによって、フェンダーの厚みを変更することが可能です。
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ただし、車検でボディサイズの取り決めがありますのでオーバーフェンダーの厚みは決まっています。
20mm以上大きくなる場合は構造変更申請が必要
(オーバーフェンダーの取り付けは、ビスやリペット固定が必要です。)
オーバーフェンダーを取り付ける際は構造変更などが必要になることもあるので注意してください。
オーバーフェンダー以外では板金による加工がありますが、その場合は金額も高くなってしまいますし、車のサイズが変わることがあるので注意してください。
はみ出しと車検について
昔は、車体からタイヤのはみ出しは一切認めれていませんでしたが、2017年より変わっています。
2017年に保安基準の一部が改定され、フェンダーからタイヤが10mmまでならはみ出ても車検に通るようになっています。
ただし、はみ出しても通るのはタイヤのみ。ホイールのはみ出しはNG。
イ 指定自動車等に備えられた車枠及び車体と同一の構造を有し、同一の位置に備え
引用:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S100.pdf
られたものであって、その機能を損なうおそれのある損傷等のないもの
ロ タイヤの次に掲げる部分以外の部分が直上の車体(フェンダ等)より車両の外側
方向に突出していない車枠及び車体
(1) サイドウォール部の文字又は記号がサイドウォール部から突出している部分
(2) サイドウォール部の保護帯及びリブ並びにこれらと構造上一体となってサイ
ドウォール部から突出している部分(突出量が10mm未満である場合に限る。)
タイヤの突出量が10mm未満である場合に限るとなっているため、タイヤ部分のはみ出しは10mmは許容されそうですが、注意が必要です。
ホイールのはみ出しは車検非対応になりますので、サイズ選びは慎重に行って下さい。
まとめ
今回は、タイヤがフェンダーからはみ出してしまった場合の対策方法を書きました。
タイヤやホイールが車体からはみ出てしまうと、車検が通らないため、フェンダー内に収めれるサイズのホイールを選んで購入してください。
保安基準の一部が改定になり、タイヤのはみ出しが10mm未満は車検をクリアできるようになっていますが、基本的にはフェンダー内に収めることが大事です。
インチアップ時は、車にあったサイズのホイールを装着する必要があります。
ホイールの購入時は、車とのマッチングをしっかり確認し、適合車種、型式をチェックして車にあったホイールセットを選んでください。
また、スライドドア車はタイヤ・ホイールがはみ出しすぎると、ドアを開けた際に干渉してしまうこともあります。
車両誤差もあるので、同じ車でも若干の差が出る場合がありますので、タイヤ・ホイールのはみ出しには十分注意してください。
インチアップ時には、車の車体誤差にも注意して安全なサイズを装着するのがおすすめです。
【参考文献】
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2023.1.4】
第100条(車枠及び車体) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S100.pdf
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